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Channel: はぐれ遍路のひとりごと
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岡部:山辺の道1

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                       神神社からみかん山へへ 
歩行記録                                                        H29-5-21(日)
歩行時間:2時間55分   休憩時間:1時間35分   延時間:4時間30分
出発時刻:7時50分     到着時刻:12時20分
歩  数:14、293歩(推定距離10.14km)    GPS距離8.6km
行程表
 神神社バス停 0:02> 神神社 0:18> 十輪寺 0:20> 興福寺 0:20> タンク 0:15> 常昌院 0:20> 南陽寺 0:15>
 立石神社 0:10> 多福寺 0:15> 展望台 0:05> 光泰寺 0:10> 正応院 0:10> 大旅籠柏屋 0:15> 岡部観光案内所                                                             
                               岡部:山辺の道概略図1
            

  先週歩いた大崩山塊の農道歩きで歩き切れなかった藤枝市ハイキングコースの 「里山の道」 に早速行くことにしました。
とは云え、里山の道だけでは余りにも短すぎるので、コース続きの 「山辺の道」 も一緒に歩く事にしました。
山辺の道は部分部分は歩いていたが、通しで歩いた事はなかったので丁度良い機会でした。

 
                 神(みわ)神社                               三つ鳥居

  山辺の道の出発地の神(みわ)神社までは、焼津駅からバスを利用する最近得意なお手軽ウォーキングです。
神神社や三つ鳥居については何回も紹介してきたので今回は省略しようと思っていたが、新しい話を聞いたので再度紹介します
  丁度この日は町内の清掃日らしく境内にはシャベルや箒を持った人たちが集まっていました。
その中のお茶の支度をしていた女性が神社の方だというので早速質問をしてみました。
 「三つ鳥居は高草山の方向を向いているのですか?」 と聞くと
 「三つ鳥居の先にある祭祀場の方向を向いているそうですよ。」
 「祭祀場?って高草山じゃないですか?」 と聞き返したがどうも要領を得ない。
しかし自分でも良く理解していない事を余りしつこく聞くのも悪いと思い止めておきました。

 
                  三つ鳥居                               ハライド(払井所)

  拝殿の裏に回ると掃き掃除をしていた男性ががいたので挨拶をして格子塀の隙間から写真を写していた。
すると 「写真を撮るなららここから入って写せばいいよ。」 と階段上の格子戸を指してくれた。
その格子戸はいつもは鍵が掛かっているのだが、今日は掃除のためか鍵が掛かっていなかった。
 「え~ いいですか、すみません。」 「でも三つ鳥居を入らないでくださいよ。」 なんて会話を交わして中に入る。
  鳥居の先の注連縄で区切った所に、紙垂(しで)を付けた竹が4本刺してあった。
ウーンこれは何だ? まさかこれが祭祀場で鳥居はここを向いている? いやそんな事はない鳥居と竹の間は3mもない。
掃除をしていた人に先ほどと同じ質問をしてみた。すると男性は
 「高草山を向いているのは鳥居ではなくハライドで、鳥居は山の神さんの方を向いている。」 と教えてくれたが良く分からない。
 「ハライドって何ですか?」 と聞くと
 「払うに井戸の井と所と書いてハライド(払井所)と言うのだけど、ほらそこの注連縄の所がそうだよ。」 と竹を指した方を指す。
更に 「山の神さんって方の上城址の上にあるのですか?」
 「いや、あれじゃなくて磐座のある山の神さんだよ。」
 そうです、そうです。ここで思い出しました。去年仲間ウォークで北のピークの帰り農道脇にあった磐座の事を。
そこにあった藤枝市の案内板には
 「山の神祭 祭日二月八日 山の神の磐座に紅白の重ね御幣を立てる。祝詞のあと竹と藤弦で作った大弓で四方に向かって
大矢を射る。これにより邪気を払い、治山治水と山の幸、野の幸の豊穣をを祈る。この山の神祭は古代祭祀の姿を現代に残す
貴重なもので、元三輪村の氏子が毎年行事をつとめる。 藤枝市教育委員会」 とあった。
しかしあの方向だと鳥居の向きが少し東の高草山寄りだけど・・・・・その点を確認すると
 「三つ鳥居は何度も立て替えているので少しは向きも変わるよ。」
そうですよね。私のように細かい事に拘らず、おおらかなに考えた方が古代儀式には相応しいでしょう。
そして三つ鳥居の向きは高草山ではなく磐座の方向を向いているとこれからは信じます。
(これは三つ鳥居を紹介した大部分の説と反しますが。)
掃除をしていた方には他にも色々教えてもらいましたので、機会があったら紹介します。

          
                      堂殿三角点                                   十輪寺

  木蓮の寺・十輪寺に行く前に墓地の中を登る三角点のある高台に寄って行きます。
標高38.87mと低い高台ですが、四等三角点と並んで木蓮漢音を祀ってありました。ここは低いながらも眺めが良く、今見てきた
神神社の森も見えています。しかし残念ながら三つ鳥居は見えませんでした。

  木蓮が植栽された中を下って十輪寺に向かいます。寺の後ろに見えるピークが北のピークと思いたいのですが、分かりません。

                 
              木喰仏:子安地蔵                       木喰仏:虚空蔵菩薩

  木蓮で有名な十輪寺だが木食上人の彫った木喰仏を安置している寺とも知られている。特に十輪寺では木喰仏を安置してある
本堂の入口に 「ご自由に本堂でお参りください」 と貼紙をしてくれてあるので気軽に本堂に入る事ができます。
  木喰仏は独特な微笑をたたえいているため、微笑仏(みしょうぶつ)とも呼ばれるかなり有名な仏像です。。
特に左側の子安地蔵は静岡県下の木喰仏の中でも傑作と言われているそうです。

     
         虚空蔵菩薩                    制作風景                     木喰上人自画像

  山辺の道のゴールの少し先にある 「岡部宿本陣址」 で丁度木喰仏の切り絵の展示が行われていたので紹介しておきます。

切り絵の仏像は十輪寺の虚空蔵菩薩で
 「高さ113cm 左手に宝珠を持った素朴な作りで、軽やかな笑みを浮かべた柔和な表情をしています。」 と説明されていた。
仏像の後ろには仏像名や制作年月、祈願等の墨書が記されているそうです。そして本人の自画像も笑みを浮かべていました。

 
              金毘羅さんの展望台                                潮 山

  十輪寺横の 「金毘羅神社や展望台があります」 の標識が以前から気になっていたので良い機会なので登ってみました。
高台の上には金毘羅神社があり、境内にはパイプで組んだ展望台も設置されていた。先程登った三角点より北西の方向にある
潮山が良く見えていた。

      
          馬(牛)頭観音                   線刻石仏                         納め札

  名前は興福寺と立派だが宝形造りの小さなお堂です。堂前にある案内板には
 「ご本尊の薬師如来立像は、皇極天皇3(645)年、東国に流行した疫病治癒のために、当地に大和の大神神社の分霊が祭られた
折、奈良の興福寺の許可を得て祭ったものと伝えられている。
 この仏像は聖徳太子の作と言い伝えられているが、その作風は飛鳥物より藤原仏の特徴がより多く備えている。
なお、この仏像は興福寺の秘仏として33年ごとに開帳され、次の開帳は2018年を予定している。」
この文章を素直に読めば
 “大神神社の分霊を神神社に祭るとき、一緒に来た薬師如来像を奈良の興福寺の許可を得て、お堂を興福寺と名付けて祭った。”
となりそうですが、でも何の許可を奈良の興福寺から得たのでしょう?。寺の名前? それとも薬師如来を祭る許可?
同じ名前の寺のなんかザラにありますよね。例えば清水の舞台で有名な清水寺は、ここ藤枝にもありますよね。
薬師如来だって、これを本尊にしている寺は、それこそ数えきれないくらいあるので、その許可の内容が分かりません。
と、ケチは付けたものの、来年が33年目のご開帳の年になるのでお参りしたい気持ちも湧いてきます。

  馬頭観音と云うより牛の頭に似ているので牛頭観音かな? 大正時代の石仏ですが舟形の面が急角度になっていて如何にも
岡部の石仏の特徴を持っています。
  写真中央の線刻石仏は薬師如来と思いたいが女性的な顔や頭、更に手が何本か見えるので千手観音かしら?
祠の中に祀られているが年々色は薄れ、線も細くなっていくようです。
その祠に板の納め札が打ち付けてあり、その内の一枚には
 「祈念 家内安全無病息災 志太四国三十三札所巡礼 平成元年十一月吉日 羽淵不動山・札所めぐり一行」 となっていた。
へぇ~私の地元の志太にも33霊場があるのかと初めて知り、それに羽淵不動山は同じ旧大井川町にある寺だった。
これじゃ探して見なければ街道歩きや霊場巡りを趣味としている者としては男がすたる。
なんてまた新しい宿題を思いついてしまった。全く自分でも好きだなぁと思います。

    
        三輪の常夜灯                 ムラサキカタバミか                テイカカズラ

  大崩山塊の西の麓を歩いていると時折このような大きな常夜灯に出くわす事があり、これもそのうちの一つです。
火口の中にはお札が見えるが折り曲っていて文字を読む事ができないが多分秋葉神社の物だろう。そのお札の上には電球が
ついている。お祭りのときには灯すのだろうか?

  次に目指すのは先程の金毘羅さんから見えた水道のタンクです。本来ならわざわざ高台まで行かなくても良さそうに感じるが
何と言ってもここはハイキングコ-スなのだから仕方ない。
農道の脇には紫のカタバミが咲いていたがこのカタバミは増えて困る。我家でも以前大きな黄色のカタバミを買ってきて庭に植えた
ところ、増えて増えて毎年取らなければ狭い庭が占領されしまうほどの勢いです。

  テイカカズラは先週の農道歩きでは見かけなかったが、この農道では既に盛りは過ぎていたが咲いていた。
このテイカカズラの漢字は 「定家蔓」 と書き、新古今和歌集を撰進した 「藤原定家」 の事だそうです。
その名前が花の名前になった謂れが結構面白いので再度紹介します。
 「都に来た旅の僧が雨宿りをしていると、若い女人が現れ、ここは藤原定家が建てた屋敷だと教えました。
そして女は僧を、定家と人目を忍ぶ深い契りを結んだ式子内親王の墓に案内します。
女は葛の絡んだ墓を見ながら、若くして死んだ定家の執心が、葛となって内親王の墓にまといつき、内親王の魂は安まることがないと
物語った。それを聞いた旅の僧は、内親王の成仏を願って墓の前で読経して内親王を弔いました。
その夜、内親王の霊が墓の中から現れ、成仏したことを喜び、報恩のためと舞を舞い、やがてもとの墓の中に帰り、再び定家葛に
まといつかれて姿を消しました。」 とさ。でもまた葛にまといつかれたら休まるときがないのではないかな?

     
         竹林の農道                 一面竹の葉の農道                 タンクが見えた

  この山も放置竹林が巾を利かせている。道路一面竹の葉に覆われた道は車だと滑りそうに思える。
だが直ぐ近くに竹林があれば陽射しが遮られるので暑さが加減されるが、竹林が離れるとサンサンと太陽を浴びながらの歩きに
なるので暑くてたまらなくなる。もう熱中症にはなりたくないので水分の補給を忘れないようにしなければ。

 
              兵隊寺常昌院の本堂                             兵隊さんの木造
             
  兵隊寺として知られている常昌院の本堂に入ると、あるはあるは兵隊の人形が正面本尊を祭ってある部屋にも、その左右の部屋
にも所狭しと祀ってあった。全部で224体もあるらしい。その謂れを書いたチラシがあったので紹介します。
 「明治に30年に入ったころ、常昌院が狭すぎるので本堂を建てたいと発願したが、檀家の少ない常昌院では本堂を新築する金が
無かった。その頃日本は日露戦争の勝利に湧いていたので、その大勝利を記念して本堂建設を呼びかければ檀徒以外にも賛同する
人があるかもしれないと寺の役員は相談していた。すると役員の中から 「戦勝記念なら英霊を顕彰する英霊殿として、志太郡下に
呼びかけたらよい」 という名案が出た。早速郡下の遺族に協力を呼びかけると4500円ほどの浄財を勧募する事ができた。
その浄財の一部から224体の木造彫刻を制作して、新築なった本堂にお祀りした。」 そうです。

中々の知恵者と行動力のある人がいたものです。
木造には1体1体に住所氏名の書いた板が立てかけられていました。今でもお参りにくる遺族の方はいるのでしょうか。
そう云えば同じように兵隊の像を祀った寺が、知多半島の新四国88霊場を歩いた時にもあった。あの像に比べればここの像は
室内に安置され、一体一体に名前も書かれ大事に祀られている。

 
                 みかん山への坂                              みかん山

  常昌院から少し戻り車は通れないが綺麗に整備された坂を登ってみかん山に向かう。
みかん山は岡部町時代に作れた施設だが、今は雑草が生茂り普通のミカン畑より手入れが悪い状態になってしまった。
このような施設は作るのは容易でも維持管理するのが難しいのだろう。先日歩いた白藤の里のアーモンド里造りも挫折していたが
ここもこのままでは同じ運命をたどるだろう。それでもアーモンドなら花見ができるがミカンではそれもできない。
しかもなったミカンも取れないとなるとわざわざここへ来る人がいるのだろうか。

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