36番 青龍寺
マメが悪化(13日目) (2003/3/25)
宿(6:40)→青龍寺(36)→宿(15:50) 35.2km
今日は朝から峠越え、標高は190mと高くないが疲れた足には少しの上りでも響いてくる。
今朝は今まで余り痛みは感じていなかったマメが痛くなってきた。
マメが直接靴底に当たらないように足の裏を丸めるようにして歩いていたのだが、山道ではそれも出来ず、
左足が着地するたびに痛くなってくる。
水を抜いたあとの治療はオロナインを塗っているのたが余り効き目は無い。今日は何か薬を買う事にしよう。
峠を下って出た車道は宇佐大橋の入口だった。
ガイドブックは遍路道は橋の2kmほど手前のスーパーの横に出るとあったので、昼飯はそこで買う予定だったが
当てが外れてしまった。
宇佐大橋の上を歩いていると、昨日一緒だった男性遍路が空荷で向こうから来る。
アレー? 私は宿の好意で朝飯を早くしてもらい7時前には出てきたのに、彼はもう36番を打ち終えているなんて。
「早いですね 荷物はどうしたのですか?」 と聞くと
「車の接待を受けてネ、荷物は橋の袂の食堂に預けてきた」 と軽快そうだ。
車の接待か・・・・・・・・・・・
私はまだその招待を受けてはいないが、仮に受けたとしても断ることに決めている。
しかしいざ誘われたらどうしよう? どう断ればいいのだ。
口下手な私に相手の気分を害さないように断ることが出来るだろうか?
36番青龍寺の池の畔を歩いていて気がついた。先ほど明徳義塾の看板があったが、確か横綱朝青龍は明徳高校の
出身だ。と言うことは、朝青龍の四股名は、親方の朝潮の朝と青龍寺の青龍で朝青龍と名づけたに違いない。
ウンきっとそうだ。体は疲れているが頭は暇だから色々な事を考える。
青龍寺を出発する時、ザック、菅笠、金剛杖の指差呼称をする。アレ金剛杖が無い。
そうだ階段の上の大師堂の所だ。
さっき納経所の前にザックと菅笠を置いて、石段の上の大師堂にお参りに行き、そのまま忘れてきてしまった。
アーアまた長い石段を登って取ってこなければ トホホホ・・・
暇な頭は色々考えるけど、どこか抜けている。その抜けた所を補うため指差呼称は中々良い方法だった。
初日に一度忘れただけで今日まで無事来たのだから。
当初青龍寺からは海を見ながら横波スカイラインを歩く予定をしていた。
だがそこには店屋や食堂は無いらしいので、横波三里の浦の内湾沿いに歩くことにする。
朝渡った宇佐大橋まで戻り、左に内海を見ながら歩き出す。
出だしは魚釣りを眺めたり余裕もあったのだが、いくら歩いても川か湖のような波の無い海が横から離れない。
日差しも強く体は熱くなり段々イライラしてきた。
腹も空いてきたというのに店も見当たらない。さらに足の裏が痛くて疼いてきた。
何か一つ悪くなると次から次へ連鎖反応のように悪くなってくる。
こんなに熱いなら雨の日の方がよっぽど歩きやすいなど勝手なことも考える。
ようやくお握りとパンの昼飯にありつくと、とたんに元気になる。
よし!峠でも何でも越えてやる!と。
どうも私は腹が空くとガス欠になった車のように全ての動きが鈍くなってしまうようだ。
腹が空けば歩く速度は当然落ちる。遅くなれば目的地に中々着かない。着かないから疲れる。
疲れるから気分が滅入る。滅入れば体の不具合を探し出して気にする。
もう三段論法のようだ。
そうならないように食料はなるべく早く調達しているのだが、店が無い事にはどうしようもない。
これからは翌日の道の状態も考え、もっと早め早めと手を打つことにしよう。
須崎市に入りようやく赤チンを買うことが出来た。
店の人より試供品の貼り薬を何種類かお接待してもらう。有難うございました。
宿に入り風呂を出たあとマメの手当てをしたが、患部は皮が剥けて赤く爛れている。
これでは痛いわけだ。赤チンを塗り更にガーゼに赤チンを染込ませてある試供品を貼っておいた。
ウン!これで大丈夫。
今日も昨日に引き続いて35km以上歩いたのだから・・・・・・・・
そんな言い訳を考えてまたビールを頼んでしまった。