四国遍路　歩行訓練

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　歩行訓練

　 私の家は静岡県大井川町。その名の通り 「越すに越されぬ大井川」 の袂にある小さな町だが、近くの大井川の河川敷に
片道２０km弱の “大井川マラソンコース「リバティ」” がある。
コースには坂は全然無く平らで面白味は無いが、ここなら中年？高年？の男が一人いくら歩いても、他人に変な目で見られる
ことは無さそうだ。それに５００ｍおきに距離の表示もあり歩行距離が一目瞭然に分かる。

　サラリーマン生活４０年。たまにハイキングに行く程度で、運動と名の付くものには手を出しとことがない運動音痴の私の
訓練場としては最適な場所だ。
早速、目標を 「一日平均６ｋ以上」 とし、２００３年元旦より歩き始めた。
一日６kmの根拠は、６km✖９０日（３ヶ月）＝５４０kmと、目標の５００ｋを越える事ができ、３ヶ月後の４月から四国遍路が
出来る計算になる。
しかし 「捕らぬ狸の皮算用」 になってしまう恐れは多分にあるが･･････

　 冬とはいえ歩き始めるとすぐ暖かくなってくるので、服装は薄い風除けのウインドブレーカの薄着で十分だった。
短い距離の時は手ぶらで、１５ｋ以上歩く時は、水筒にパンか握り飯の軽食をウエストポーチに入れて出かけた。
帰ると早速歩行距離をパソコン投入し 「もう名古屋に着いた」 などと自己満足を味わっていた。
こうして１月に２４０km歩いて、一ヶ月１８０kmの予定を軽く突破した。

　２月に入ると更に欲が出て、３０ｋ以上を５日間連続できれば、秩父３４ヶ所の歩き遍路が出来るのではないかと、
早速２月１日から歩き始めた。

１日目３０ｋ、２日目３０ｋ、次に３７ｋ、３７ｋ、３５ｋと１日３０ｋ以上を５日間歩き通したが、３日目位から家に帰ると足が
ガクガクして真っ直ぐ立っていられない状態になってしまった。
しかし朝になるとそのガクガクは治まっていて、又歩くことができ、歩いている時は足に疲労感はあるが不思議に痛くも
無くガクガクもしてこなかった。
こうして２月の歩行距離はなんと５４０ｋにもなってしまい、これは少々やりすぎだと思ったが、これで自信をつけて
３月２日には秩父に向かったのでした。

　 秩父では天気にも恵まれ４日間で３４ヶ寺約１５０kmを完歩することが出来た。
遍路の最中でもそれほど大変な感じはなく、結願寺の３４番から駅まで歩く余裕もあり、これで益々自信をつけてしまった。

自信が付くと同時に四国に行きたい！　歩き遍路をしたい！　といった気持ちが湧きあがってきた。
だが歩き遍路は車遍路とは違い風雨の中もただひたすら歩かなければならない。果たして自分がそんな意思があるか不安だが、
結願した折の感動はマイカー遍路より更に深い思いが湧き上がるだろう。そうだ！それを味わいたいのだ。