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Channel: はぐれ遍路のひとりごと
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藤枝里山4山:烏帽子山

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歩行記録          H29-1-31(火)
歩行時間:0時間25分   休憩時間:0時間10分   延時間:0時間35分
出発時刻:15時30分     到着時刻:16時05分
歩  数: 1、563歩(推定距離1.11km)    GPS距離km
行程表
 烏帽子山登り口 0:10> 山頂 0:10> 農道 0:35> 清水寺 0:05> 烏帽子山登り口

 今日はまだ自時間もあり自転車なのだから、もう一つ里山の調査ができないか。
登る事は出来なくても登り口がどこにあるかの調査は出来るだろう、と出かける事にした。

                              烏帽子山概念図
  

 今日最後の山・烏帽子山は江戸時代には東海道を歩いていた旅人の目印だった山で、西から来た旅人はこの山を見て
 「もうすぐ藤枝の宿だ。」と安心し、東から来た旅人は 「次の宿は島田宿で大井川の渡しが待っている。」 と身を引き締めたと
言います。

 この山の事も正確なことは知らないが、以前 「安倍山系」 の著者で時折コメントしてくれる松理さんが 「南西の方から登った。」 と
教えてくれたのでそれが唯一の頼りです。

 
             東方面からの烏帽子山                        南方面(東海道側)からの烏帽子山

 自転車者で向いながら東側からの烏帽子山を見ると、右(北)側に送電線の鉄塔があり、その右には建物も見えている。
これなら山道は送電線の鉄塔の下あたりにあると思うし、最悪でも送電線までは点検路はある筈だ。 
だが松理さんに “南西” と聞いた以上は、そちらから探してみようと鉄塔側に未練を残しながら南西に向かった。

 南方面からみる烏帽子山は三角に尖り、他の方角から見るより少しは烏帽子に見えない事はなかった。
踏み跡さえあれば何処からでも登れそうに見える。

 
             烏帽子山の案内板があった                         烏帽子山の案内板

 一先ず自転車を橋の袂に置いて車道から調べてみようと歩き出すと、すぐに案内板がある事に気が付いた。
近寄ってみると 「10分の登山気分で志太一望の絶景 日本一低い 烏帽子山」 とあり富士山ビューポイントの表示もある。
何ともあっけなく登り口を見つけてしまったのも松里さんのお陰です。
それにしても “たった10分” も気になるが “健康スポット” とか “美健” などの文字もあり、何やら遊歩道的雰囲気だ。
マーそれもいいだろう。今日は既に20km以上歩いているので疲れもでてきている。なら遊歩道が丁度良いのかもしれない。

 登り口は、旧国道1号を青木の五差路方面から西に向かい、左にニトリやケンタッキーフライドチキン、総合庁舎。右にはエスポット
のある “総合庁舎前”の信号の次の “内瀬戸” の信号を右折してエスポットの裏を北に向かう。
坂の上り口にある老人ホームを過ぎ、小さな橋を渡った右側に案内板はあります。左少し先には “コイン精米” の青い看板があります。

  
            水路には橋もある(左は老人ホームの建物)                         アレー岩の道だ

 小橋の袂の “糞の後始末は飼い主の責任です” なんて看板を見ると、益々気分はだらけいつもの終盤モードになってきた。
ところが橋を渡った先はその気分を変えるように、岩の合間を行く道が続いていた。でもこんな道はここだけだろうと進む。

  
     次々と岩が出てくる                                  頂上下の社

 岩の合間の道は最初だけでなく更に続いている。怖いような傾斜ではないが手も使わなければない所もある。
藤枝の山でこんな岩の道はあっただろうか?  ビク石も岩の道は続くが、あそこは岩を登るのでは岩を踏んで歩く道だ。
だがここはすごく大袈裟に言うなら岩を攀る感じで面白い!

 でも所詮はたった標高106mの山だ。看板通り10分も歩くと山頂下の小さな社に着いてしまった。

 
                 三角点が                                 前方が開けている

 山頂に白い杭は無いが三角点の石標が見えていて、その上には金属標が付いている。
オッ!金属標の三角点か、としゃがんで見て見ると 「標準三角点 日本住宅公団」となっていた。
住宅公団が何のために山の上に基準点がいるのだろう? 後で調べてみたがヒットする物は無かった。

 三角点の南に目を向けると木が無くて前方が開けていた。これなら案内板の通り “志太一望の絶景” を見る事ができそうだ。

 
          高草山は見えるが富士山は見えない                  大崩山塊先端の虚空蔵山も見える

 まず富士山は見えるかと東側の高草山から伸びる西の尾根を見るが、アレ-見えない・・・・・
場所が悪くて見えないのか、それとも気象条件で見えないのか?
目を凝らしても両眼視力0.8の目では分かる筈もないので、蓮華寺池で写した富士山をカメラに表示して確認すると・・
写真には富士山は北のピークと左(北)の鞍部の上にあった。それならここは公園より南にあるので、富士山が見えるなら鞍部より
左(南)側に見える筈だ。だが見えません。
市役所が富士山が見えない所に “富士山ビューポイント” の看板を立てるわけはないので、きっと大気の状態が悪かったのだろう。
これじゃ再確認に来ないとな。

 
                  藤枝駅前                            千貫提のあった本宮山(奥側)

 最近の藤枝は駅の周辺にマンション建設が盛んで、人口流失が続く県の中部地区では唯一増加している市らしい。
数年前の平成の大合併では、藤枝、焼津、大井川、岡部が合併し志田市を作る予定だったっが、私の住む大井川町が財政状況の
悪かった藤枝市との合併を拒んだためご破算になってしまった。
結局財務状況が比較的良かった大井川と焼津、悪かった藤枝と岡部が合併したのだが、東日本大震災以降は沿岸部からの人口
流出が多くなり、今では藤枝市が逆転してしまっている。分からないものですね。

 千貫提(せんがんつつみ)とは大井川の洪水から藤枝宿を守るため築いた堤の事で、案内板には
 「田中藩を大井川の洪水から守るため、ここ下青島の山裾(旧東海道辺り)から南方藤五郎山をはさみ、本宮山まで約360mに
わたり、高さ3.6m、巾29mの大堤防を一千貫もの労銀を投じて造築したのでこの名がある。」 と案内している。
いまその堤は無いが、場所は奥の山(本宮山)から手前の山の右を通りビルのある辺りまであったらしい。

 電車に乗ると藤枝から大井川までの間には六合駅と島田駅があるので、藤枝と大井川と離れていると感じる。
そのため初めてこの堤の事を聞くと、何故こんなに大井川と離れた所に堤防が必要なのかと疑問に感じてしまう。
しかし地図を見ると納得できます。
南に向かって流れていた大井川は、東海道線が大井川を渡った所で牧之原台地の山裾に当り、流れを急激に東に変えています。
そのため昔は台風や大雨の時は、流域左岸は度々洪水に曝されていたようです。
オット今日は街道歩きではなかった。知ったかぶりはこの辺で止めます。

 
           ウッ!危ない 下は絶壁だ                           下りの道あるが・・・・              

 景色に夢中になっていたが下を見るとウッ!危ない。 私の苦手な眺めが広がっていた。
その横には下に下る道も見えるが 「危険」 の看板もある。こういう場合は素直に指示に従います。
だけど登ってく途中に分かれ道なんてあったかな?

  
                   山中の十字路                                   中電の目印テープ

 山頂から社まで下ると北に続く尾根に道が延びていた。自転車を下に置いてあるので少しだけ道を調べてみようと前進した。
シッカリした道が続いていたので、ついつい先に進んでしまうと十字路に出た。
前(北)の道は踏み跡は薄く、左(西)の道が一番ハッキリしていたので、こっちなら自転車の近くに出れると左に折れる。
少し行くと道は急な斜面で歩くというより滑って下る感じになってきたが、木が生えているので危なそうではない。
そこで思い出した。こちら側には山と車道の間に水路があり、広くはなくても今の自分にはとても渡れる自信は無い巾だったことを。
そこから引き返すとなるとこの斜面を登り返さなければならい。止めた、止めた。と十字路に戻りました。

 十字路の戻り、ここまで来て引き返すのも間尺に合わない。右(東)に向えば鉄塔があるかもしれない。ヨシそれを確かめよう。
道は入口と違ってハッキリした踏み跡が続き、今までなかった目印も出てきた。更に下って行くと丁字路になった。
その丁字路の右(東)には黄色で幅広の送電線点検路の目印がある。多分左の道を登れば鉄塔があるのだろう。
一瞬迷たが、楽しみを残しておけばまた来る気になると右の道を下ることにした。

 
              もう農道が見えた                            送電線点検路の道標

 途中には中電の送電線点検路の黒い樹脂製の階段もあり、この道が点検路であることは間違いない。そのうち上空に送電線が
見えて来たと思ったら、もう下には農道が待っていた。

 たった20分の冒険だったが結構楽しかった。 「山高きがゆえに尊からず」 を実感したウォークでした。

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