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コノスジ中途道&小富士

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歩行記録                                                           H28-7-8(金)
歩行時間:4時間50分   休憩時間:1時間30分   延時間:6時間20分
出発時刻:6時20分     到着時刻:12時40分
歩  数: 10、632歩(推定距離11.4km)    GPS距離10.1km
行程表
 須走口5合目 1:10> 6合目・長田山荘 0:30> 須走口砂払5合目分岐 0:45> 吉田口6合目 0:40> 砂払5合目分岐
 0:35> 6合目・長田山荘 0:20> 砂払5合目 0:15> 須走口5合目 0:20> 小富士 0:15> 須走口5合目

 2回続けて不本意な歩きをしたため、今回はコースの選定を “暑くなく、長くない” を主眼に探しました。
そして出てきたのが表題の 「コノスジ中途道」 です。
しかし何と読むのでしょう?  “コノスジちゅうとみち” では何となく中途半端な感じがするので、調べてみたら
  「コノスジ なかとどう」 とルビを振ってあるのを見つけました。
 “なかとどう” ?  これでもしっくりこないが他になかったので一先ずそうしておきましょう。

 場所は富士山須走口6合目と吉田口6合目を結ぶルートで、御中道より1段下のルートになり、標高が須走側が2420mで、
吉田側が2390mと、ほぼ平坦なコースです。殆どが樹林帯に属しているので暑さも左程の事はないと思います。
距離は須走口5合目からピストンして約8km程度とこれも短く、目標の “暑くなく、長くない” をクリアできそうです。

 
              須走口5合目標識                               通行禁止ゲート

 朝6時10分に須走口5合目に到着。下の駐車場は6分程度で混み具合で、上の駐車場はポツンポツン程度でした。
お山開きは7月10日なので、まだ本来は登山禁止なのですが、登る人はかなりいるようです。

 須走口5合目はこれで3回目なのですが、初回に来たのは昭和34年(1959)と57年前の高校1年の夏の時です。
初めての富士登山に近所のお兄さんに連れてきてもらったのですが、これっぽちの記憶もありません。
 当時の御殿場の人の多くは、夜バスで須走口に来て夜を徹して山頂を目指し、ご来光を見て御殿場具を下るケースが殆ど
だったと思います。山小屋に泊まるのは遠方から来た登山者や団体の人が多かったと思います。
それが今では夜間登山を 「弾丸登山」 と称して遣らないよう指導しています。
かと言って登山者全員が山小屋に泊まる事は物理的に不可能ですので、必然的に昼間の登山しかありません。
しかしどうでしょうね、富士山といえども夏の日中の陽射しは強く、その陽射しを避ける場所もない登山道です。それに比べ
夜間はかなり涼しく、明け方は寒いくらいの中の登山なら、熱中症の危険は少なくなります。
暗い中の登山は危険だとの意見もありますが、灯りを頼りに登るのですから危険なほどの速さでは登れません。
更に睡眠不足の体調不良を心配しているようですが、山小屋の鮨詰め状態でどれほど休む事ができるか疑問です。
 今年は登山バスの終車時間を早めて、少しでも弾丸登山を減らすよう対策をとっています。
好き勝手に登りたと思っている私のような登山者には、富士山は登りにくい山になってきています。

 2回目はそれから2年後、御殿場口で馬方のアルバイトをしていたとき、須走口の催し事に馬を曳いて参加しました。
朝御殿場口の太郎坊を馬に乗り、砂礫地帯の薄い踏み跡を辿って須走口5合目に着きました。そこから客を馬に乗せ、確か
8合目まで行ったと思います。
 荷揚げの時には、馬2頭に馬方1人、帰りの下山は馬3・4頭でも1人の馬方だったが、人を乗せる時は馬1頭に馬方1人で
それも馬の前で手綱を曳いての歩きになります。荷揚げの時のように馬の後ろで尻尾に掴まりながらとは全然違います。
確かその時にチップを貰ったのですが幾らだったかは忘れてしまいした。
 今回その事を思い出し、国土地理院の地図を確かめると、今でも御殿場口から須走口の間に破線の道が記入されてます。
今でも踏み跡が有るのか、有るとすればどんな人が歩いているのか気になりますね。でも自分では歩く気はしませんが。
 
 須走口の出発点5合目は富士宮口とも御殿場口とも雰囲気が違い違い、登山道左に茶屋が続き、登山道を挟んで右はベンチと
テーブルのある休憩場所になっていました。
富士宮口のような車と人と一体となった喧騒さは無く、かと言って御殿場口のような寂れた感も無くイイ感じでした。

 茶店を過ぎた所に冬季通行禁止のゲートがあり、通行するのには支障はないが、あえてここを通る人は 「自己責任」 でと云う
感じでこれもいいと思う。ゲートを頑丈にしても広い富士山の事、どこでも通り抜け出来てしまうのですから。

 
                  登山道                                    登山道横の林

 須走口は4つの登山道の中で一番高所まで樹林帯が続くので、本来は登りやすい登山道ですが、今ではここを利用しようとは
思いません。理由は8合目で超混雑している吉田口と合流するからで、8合目から上は時折渋滞も発生するとかですが、どんな状態
なのですかね。気にはなるが体験はしたくありません。
今までの富士山は、天気と混み具合を勘案して時期を決めてきたので、あまり混んだ富士山は経験した事はありません。

 この登山道は昔は周りの林の高さだったのが、人が歩く事により草が剥がれ少しづつ沈んできて、やがて雨や雪解け水の流路と
なり更に土砂が流れ凹んでしまったようです。そんな事を繰返して今の沢のような登山道になったとか。
これでは天井川ならぬ沈下川状態ですね。
 この様な登山道は富士宮口でも御殿場口でも見る事はないが、富士宮口は岩盤で道が固く沈む事は無く、御殿場口は火山灰
地帯だが、夏にへこんだ道も、それ以外の季節の風や雪崩なので火山灰が元に戻ってしまうようです。
この道もこのままいったら100年後、200年後にどうなっているのでしょか。

 
                  富士山頂                                   雲 海

 登山道の左側が開けていて山頂や下界の雲海が見えた。今日の天気予報は午前中は曇りで午後は所によっては雨だったが
車で来る途中も曇っていて富士山は見えていなかった。途中ラジオで 「須走の国道139号線は濃霧に注意」 と放送していたが
そんな事も無く、かえって途中からは陽の射す天気になってきた。きっと雲海を突き抜けたからなのだろう。
 
 雲海に浮かぶ山頂は皆目見当がつかなかった。

               
                  竜巻か?                                 竜巻か?

 疲れてフト目を上げると縦に一直線の雲が見えた。若しや竜巻かと思ってズームにして写した。
時刻は7時35分。ここでは風は無いが山頂付近が風が出ているのだろうか。

 

 途中にあった案内板には5合目と6合目間は60分とあったが70分かかってしまった。最近の私の歩きからすれば妥当な線だろう。
途中で3人の若者グループを追い抜いたが登山者はそれだけだった。駐車していた車は多かったが意外に登山者が少ない。

 それでも6合目の小屋の前には4・5人の人が休憩していて、皆山頂を目指すのだろうが天気予報の事を知っているのか心配だ。

 小屋の案内板には標高が2400mとなっていたが、5合目にはは2000mとあったので400mを登ったことになる。
ここから先のコノスジ中途道は水平移動なので今日の難所は終わった事になる。フー!

 確か富士宮口の新五合目の標高は2400mだからここと同じ高さだ。樹林帯の中の道はいえ既に1時間歩いているとなると
矢張り富士宮口の方が楽なのかな? 一方御殿場口新5合目の標高は1440mだった。となると御殿場口ではここより1000mも
低い場所からの出発になる。これでは御殿場口は大変なはずだ。

 でもどこの出発地も新5合目となっているので、どの登山口も同じような高さだと思うが、実際は大きな違いがある。
同じ5合目なのにと思うが、その理由は国土地理院の地図を見れば何となくわかる気がする。
 先ず須走口はバスの終点は 「五合目」 となっていて、ここ長田山荘の場所は 「本五合」 となっている。
更にこの上にある小屋は 「六合」 となっている。要はここ長田山荘はバスが来るまでは五合目だったが、バスの終点を他の登山口に
合わせて5合目にした関係で六合目に変更したのだろう。そして従来の六合目には “本” を付けて本六合目にしたのだろう。

 富士宮口も地理院の地図ではバスの終点は 「新五合」 。その上の小屋は 「新六合」 で更に上の小屋は 「六合」 となっている。
ここも5合目だった場所が新六合に変更になったのだろう。

 更に面白いのが御殿場口で、従来は 「二合目」 だった場所が、突然他の登山口に合わせて 「新五合」 になってしまった。
そのため今は小屋は無いが下山道と登山道が交差した場所が 「二合五勺」 、更に上の測候所の避難小屋は 「二合八勺」 とある。
要は御殿場口の出発点は昔 「一合」 だった辺りが、突然 「五合」 に昇格したのだから驚いてしまう。
更に御殿場口では昔は 「七号九尺赤岩館」 が最近では 「八合目赤岩館」 と称するようになった。これは赤岩館の上にあった本来の
八合目が廃業して、今では残骸が残っているだけになったので 「八合」 と称するようになったのだろう。

 赤岩館のケチを付けてしまったみたいで申し訳ないので、少々ここの宣伝をしておきます。
以前自分の子供や孫を初めて富士山に連れて来た時や、職場や地元の人を案内して富士登山した時は必ず赤岩館に泊まった。
コースは富士宮口五合目から八合目まで登り、ここで富士宮口と別れ御殿場口に抜ける。
抜ける場所は八合目のトイレの横を通るのだが、多分ロープを張ってあると思う。そのロープを越して少しブル道を行くと、すぐ上に
御殿場口に抜ける道がある。
距離は2・300mの水平移動で危険な場所はない。馬方のアルバイトしていた時は毎日のように通った道で、御殿場口七号八勺の
避難小屋の前に出ます。八号九尺の赤岩館はすぐ上に見ています。

 では何故御殿場口7号8尺の赤岩館がお勧めかと言うと、先ずご来光を見る事ができる事です。小屋が空いていれば小屋の中で
ご来光を待っていて、クライマックスに近づいたら外に出るなんてこともできます。
一方富士宮口は南口なので、東側にある御殿場側の斜面が邪魔をしてご来光を清々見る事ができません。そのためご来光を見る
には必死になって山頂に向かわなければならなく、山頂に辿りついても御殿場側の山頂から見たくなると思います。
 次に小屋が空いている事です。下山口の御殿場は余り小屋に寄る登山者が居なく、山小屋が次々の廃業した経緯もあります。
とは言え、最近では富士宮口から宝永山経由で登る 「プリントルート」 が人気になり、結構混むようになったと聞いています。
それでも他の登山口に比べれべ空いているでしょう。
 更に山頂に登った後に御殿場口に下るなら、小屋に不要な荷物を預け身軽になって登る事もできます。例え富士宮口に下ると
しても宝永山の火口の底を通って富士宮の5合目に行けば、砂走も経験でき火口の底を歩くと云った珍しい体験もできます。

 このコースで何回か子供を連れて登っているが、全員が山頂に登りお鉢巡りもしています。ただ誰でもと云う事でなく一応
小学校3年生以上の子供たちでしたが。

 好きな富士山の事を書きだすと、次から次へと話題が出てきて先に進まなくなってしまうので、この辺りで止めましょう。

 
           コノスジ中途道の入口                           コノスジ中途道の丸太の道標

 上の写真の木の階段は山頂に向かう登山道で、コノスジ中途道はロープで遮断されたブル道に入ります。
小屋の前から見るとブル道のロープの先にもう1本のロープが見えるが、これは進入禁止のロープではなく、コノスジ中途道の
誘導ロープです。
 進入禁止のブル道のロープをまたげば、大きな丸太を利用した道標があるので、後は水平移動のコノスジ中途道に入ります。

 
                   石楠花                                      石楠花

 コノスジ中途道に入ってすぐに目につくのは石楠花の葉っぱだったっが、もう時季は遅いだろうなんて考えたの大間違いで
200mも進むと次から次へと満開の石楠花が現れた。
例により下調べの少ない私は思わぬ石楠花の登場に興奮して、下手な写真を何枚も写しながら歩くので遅くなること遅くなること。

  
        白っぽい石楠花               少し赤みの入った石楠花            更に赤みの増した石楠花

 自然の石楠花は余り見た事はないが、藤枝の蓮華寺池公園の栽培している石楠花はもっと赤いものが多かったと思う。
ここの石楠花全体に白ぽい花が多く、なと言う名前なのでしょうか。

  
        花芽? 葉芽?                     蕾1                         蕾2

 今が満開の時期なのか、これから更に満開になるのか分からないが、蕾の数は咲いている花より少なく感じた。
ただ花が咲いている木は満開状態だが、場所によっては花も蕾もない木も多くあった。その木の葉の付根をよく見るとポツンとした
膨らみがあり、これがもし蕾なら満開はこれからで、葉芽としたら今が盛りだと思う。

 コノスジ中途道に入ると歩いている人はいなく、完全に貸し切り状態の道に独りでに笑みが浮かんできた。

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