奥沼+沼津アルプスと静焼アルプスの比較
以前から気になっていた沼津アルプスと静焼アルプスのコースを距離・アップダウン・景観・コース・危険性で比較してみました。
1・距離
先ず同じ尺度の地形図で比較してみてください。
奥沼ア+沼津アルプス
静焼アルプス
明らかに静焼アルプスの方が距離が長い事が分かります。
次に実際私が歩いて数値でも比較します。
どうですか一目瞭然ですよね。
2・アップダウン
データはヤマレコの他人様の物を利用させてもらいました。
奥沼ア+沼津アルプス
このデータは私の歩いてルートとはほぼ同じでした。
静焼アルプス
静焼アルプスは殆どが観観峰から朝鮮岩に抜ける人が多く、花沢山に行く人は余りいませんでした。
やっと見つけたこのデータも出発地が安倍川駅でなく手前の手越から、しかも佐渡山も登っていません。
ゴ-ルも花沢山から直接用宗駅に下っているので、カンポの尾根のアップダウンもなく距離も大分短くなっています。
しかし主要な部分のコースは同じなので十分参考になると思います。
ただこのグラフのメモリ幅は、標高部分は沼津の方が広いのでアップダウンが大きくなるが、距離の幅も同じように広いので
今度はアップダウンが小さくなっているかと思います。(合わせれば上も下も同じようなものか)
花沢山からカンポ下経由で焼津駅を歩いているデータがありましたので張り付けました。
用宗駅に直接下るルートより距離は長くなり、細かなアップダウンの続く道は、疲れた足にはかなりの負担になります。
以上のデータから沼アは距離は短いが小さなアップダウンの多い山と判断できます。
一方静焼アの方は、小さなアップダウンもあるが標高差の大きなアップダウンもあり、しかも距離も長いので疲れそうな
山のように感じます。言い換えれば沼アは北アルプス的で、静焼アは南アルプス的な山だと云えそうです。
参考に日守山を含まない大平山から香貫山の沼津アルプスが、静焼アのどの辺りと同じかも調べました。
この表ではおおよそ蔦の歩道辺りが沼アと同等ぐらいです。
満観峰まで行けば奥沼アを含んだ沼アと同じくらいです。しかし満観峰からは静岡側に下りるにしても、焼津側に下りるに
しても麓まではまだまだ歩かなければなりません。
3・景観
先ずは次の写真を見てください。
沼ア小鷲頭山から
沼ア小香貫山から
沼ア小香貫山から
一方静焼アルプスは
徳願寺山から
満観峰から 花沢山から
このようにすれば景観は同等かと思われるが、実際は数段沼アの方が上です。静焼アルプスから景色の見える場所は
上記写真の徳願寺付近と満観峰、花沢山しかない。(満観峰から花沢山の尾根筋でも富士山は見えるが同じような姿です)
一方沼津アルプスの景観は稜線の到る所から色々な景色を眺める事ができます。
スポットの景色なら静焼アは遜色ないが全体では到底沼アには敵いません。
4・コース
コースの比較では色々あるが先ず標識を見てみると、これも文句なく沼アの方が上です。登山口に入ってから出るまで
迷うような所はありません。(香貫山には何通りも道があるが最終的には行きつける)
一方静焼アの特に徳願寺の尾根は正規な標識は無く私製の標識だけです。最近はその数も多くなってきていて、目印の
リボンや紐も大幅に増えています。おかげで迷う事は無くなったが余りに目印が多くなりすぎうるさく感じる時もあります。
それが沼アでは日守山の一部に目印はあるものの、大平山から香貫山にかけてはリボン等を目にすることは無かった。
最近車道の上の電線を地中に移動してスッキリした道路があるが、あんな感じで清々して気持ちが良かった。
コースの面白みも沼アの方が上だ。梯子場や岩場に着いた階段、長いロープ場(尤もこれは多すぎて飽きてしまったが)
木の根やウバメガシの尾根道と飽きないで歩く事ができる。
では静焼アの面白みと考えるが、特に思いつかない。
5・危険度
コースの危険度だが、これを書くためにネットで “奥沼津アルプス” を検索するとこんな記事が次々現れた。
“恐怖の低山トレースが解りずらいがテープやロープを目印に素直に歩行すれば迷いません。”
“ハシゴとハシゴの間の区間が難所。初心者は避けたほうが無難”
“恐怖の低山、ふみ跡、テープは有るが地図コンパスは必携。”
“岩登り、梯子などでプチアドベンチャー。道は踏み跡はあるものの何も考えていないと他の踏み跡に引っ張られる” 等々
もし私が奥沼アに行く前にこれらの記事を読んでいたら果たして行っただろうか? 怖がりの私なので止めたかもしれない。
だが実際歩いてみて踏み跡はハッキリついているし、分岐には標識もあり道に悩むことは無かった。
問題は初心者は避けた方が無難と書かれた梯子だが、この判断は難しい。恐怖感は人それぞれによって違うので何とも
言えないが、怖がりの私でも鳥肌が立つことなく梯子を渡る事ができました。
それ以外に危ないと感じたのは支点間隔の長いロープ場で、注意しないとロープに振られて転ぶことも考えられる。一人で
ロープを使っている時は良いが、複数で利用している時はなおさら注意が必要だと感じた。
奥沼ア梯子1 奥沼ア梯子2 長いロープ場
静焼アで危険な場所は強いて言うなら宇津ノ谷峠の下りにある短いロープだろうか。だがそこはロープがあるお陰で容易に
上り下りできるようになっている。
ネットで調べると徳願寺の尾根の “道迷い” を書いてあるものが多いが、最近のネットには “最近は分かりやすくなった” と書いて
ある記事も複数あった。
危険という段階ではないが花沢山から石部峠の長い下りの階段は、気を付けないと階段が浮き上がっているので躓く恐れがある。
宇津ノ谷峠上のロープ場 花沢山の階段
結 論
結論を言えば奥沼+沼津アルプスは景色も良く、楽しい山行ができ疲れも程々なので、賑やかに山を楽しみたい人向き。
静焼アルプスは静かな山を好み、自己の鍛錬を好む人向きとなるだろうか。
どちらのコースも歩き甲斐のあるコースです。
以前から気になっていた沼津アルプスと静焼アルプスのコースを距離・アップダウン・景観・コース・危険性で比較してみました。
1・距離
先ず同じ尺度の地形図で比較してみてください。
奥沼ア+沼津アルプス
静焼アルプス
明らかに静焼アルプスの方が距離が長い事が分かります。
次に実際私が歩いて数値でも比較します。
どうですか一目瞭然ですよね。
2・アップダウン
データはヤマレコの他人様の物を利用させてもらいました。
奥沼ア+沼津アルプス
このデータは私の歩いてルートとはほぼ同じでした。
静焼アルプス
静焼アルプスは殆どが観観峰から朝鮮岩に抜ける人が多く、花沢山に行く人は余りいませんでした。
やっと見つけたこのデータも出発地が安倍川駅でなく手前の手越から、しかも佐渡山も登っていません。
ゴ-ルも花沢山から直接用宗駅に下っているので、カンポの尾根のアップダウンもなく距離も大分短くなっています。
しかし主要な部分のコースは同じなので十分参考になると思います。
ただこのグラフのメモリ幅は、標高部分は沼津の方が広いのでアップダウンが大きくなるが、距離の幅も同じように広いので
今度はアップダウンが小さくなっているかと思います。(合わせれば上も下も同じようなものか)
花沢山からカンポ下経由で焼津駅を歩いているデータがありましたので張り付けました。
用宗駅に直接下るルートより距離は長くなり、細かなアップダウンの続く道は、疲れた足にはかなりの負担になります。
以上のデータから沼アは距離は短いが小さなアップダウンの多い山と判断できます。
一方静焼アの方は、小さなアップダウンもあるが標高差の大きなアップダウンもあり、しかも距離も長いので疲れそうな
山のように感じます。言い換えれば沼アは北アルプス的で、静焼アは南アルプス的な山だと云えそうです。
参考に日守山を含まない大平山から香貫山の沼津アルプスが、静焼アのどの辺りと同じかも調べました。
この表ではおおよそ蔦の歩道辺りが沼アと同等ぐらいです。
満観峰まで行けば奥沼アを含んだ沼アと同じくらいです。しかし満観峰からは静岡側に下りるにしても、焼津側に下りるに
しても麓まではまだまだ歩かなければなりません。
3・景観
先ずは次の写真を見てください。
沼ア小鷲頭山から
沼ア小香貫山から
沼ア小香貫山から
一方静焼アルプスは
徳願寺山から
満観峰から 花沢山から
このようにすれば景観は同等かと思われるが、実際は数段沼アの方が上です。静焼アルプスから景色の見える場所は
上記写真の徳願寺付近と満観峰、花沢山しかない。(満観峰から花沢山の尾根筋でも富士山は見えるが同じような姿です)
一方沼津アルプスの景観は稜線の到る所から色々な景色を眺める事ができます。
スポットの景色なら静焼アは遜色ないが全体では到底沼アには敵いません。
4・コース
コースの比較では色々あるが先ず標識を見てみると、これも文句なく沼アの方が上です。登山口に入ってから出るまで
迷うような所はありません。(香貫山には何通りも道があるが最終的には行きつける)
一方静焼アの特に徳願寺の尾根は正規な標識は無く私製の標識だけです。最近はその数も多くなってきていて、目印の
リボンや紐も大幅に増えています。おかげで迷う事は無くなったが余りに目印が多くなりすぎうるさく感じる時もあります。
それが沼アでは日守山の一部に目印はあるものの、大平山から香貫山にかけてはリボン等を目にすることは無かった。
最近車道の上の電線を地中に移動してスッキリした道路があるが、あんな感じで清々して気持ちが良かった。
コースの面白みも沼アの方が上だ。梯子場や岩場に着いた階段、長いロープ場(尤もこれは多すぎて飽きてしまったが)
木の根やウバメガシの尾根道と飽きないで歩く事ができる。
では静焼アの面白みと考えるが、特に思いつかない。
5・危険度
コースの危険度だが、これを書くためにネットで “奥沼津アルプス” を検索するとこんな記事が次々現れた。
“恐怖の低山トレースが解りずらいがテープやロープを目印に素直に歩行すれば迷いません。”
“ハシゴとハシゴの間の区間が難所。初心者は避けたほうが無難”
“恐怖の低山、ふみ跡、テープは有るが地図コンパスは必携。”
“岩登り、梯子などでプチアドベンチャー。道は踏み跡はあるものの何も考えていないと他の踏み跡に引っ張られる” 等々
もし私が奥沼アに行く前にこれらの記事を読んでいたら果たして行っただろうか? 怖がりの私なので止めたかもしれない。
だが実際歩いてみて踏み跡はハッキリついているし、分岐には標識もあり道に悩むことは無かった。
問題は初心者は避けた方が無難と書かれた梯子だが、この判断は難しい。恐怖感は人それぞれによって違うので何とも
言えないが、怖がりの私でも鳥肌が立つことなく梯子を渡る事ができました。
それ以外に危ないと感じたのは支点間隔の長いロープ場で、注意しないとロープに振られて転ぶことも考えられる。一人で
ロープを使っている時は良いが、複数で利用している時はなおさら注意が必要だと感じた。
奥沼ア梯子1 奥沼ア梯子2 長いロープ場
静焼アで危険な場所は強いて言うなら宇津ノ谷峠の下りにある短いロープだろうか。だがそこはロープがあるお陰で容易に
上り下りできるようになっている。
ネットで調べると徳願寺の尾根の “道迷い” を書いてあるものが多いが、最近のネットには “最近は分かりやすくなった” と書いて
ある記事も複数あった。
危険という段階ではないが花沢山から石部峠の長い下りの階段は、気を付けないと階段が浮き上がっているので躓く恐れがある。
宇津ノ谷峠上のロープ場 花沢山の階段
結 論
結論を言えば奥沼+沼津アルプスは景色も良く、楽しい山行ができ疲れも程々なので、賑やかに山を楽しみたい人向き。
静焼アルプスは静かな山を好み、自己の鍛錬を好む人向きとなるだろうか。
どちらのコースも歩き甲斐のあるコースです。