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Channel: はぐれ遍路のひとりごと
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大崩山塊:静焼アルプス縦走 Ⅲ

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歩行記録                                                           H28-3-22(火)
歩行時間11時間20分   休憩時間:1時間45分   延時間:13時間05分
出発時刻:6時00分     到着時刻:19時05分
歩  数: 45、146歩(推定距離29.5km)    GPS距離22.7km
行程
 安倍川駅 0:30> 佐渡山 1:05> 仏平 0:15> 梵天山 0:25> 歓昌院坂 0:35> 駿河峰 0:30> 大鈩山 0:50>
 飯間山 1:20> 宇津ノ谷峠 0:20> 蔦の細道 1:20> 444m峰 0:20> 満観峰 0:45> 日本坂峠 0:30>
 花沢山 1:00> 道標の峠 0:55> カンポ下 0:40> 焼津駅

                                   静焼アルプス後半
   
      ダイラボウへの標識                ロンショウ?                    道の駅への標識
       
 飯間山からしばらく行った所に気になる標識が一昨年付いた。
 「ダイラボウ⇒こっちだよ」 と書いてある標識で、上には野田沢峠までの略図も書いてある。
以前大崩山塊からダイラボウまで歩きたいと思い、ダイラボウの麓の西又峠で道を探したが分からなかったことがある。
ここにある略図も西又峠までではなく、手前の野田沢峠までしか書いてない。そのため歩く決断が付かないでいる。

 その標識の横に三等三角点朝比奈がある。そこにも 「朝比奈(ロンショウ)412.2m」 の初めて見る標識が付いていた。
しかし “ロンショウ” って何だろう。三角点の名称は朝比奈だし、日本語? アイヌ語? それとも略語か。
若しかしたらここからダイラボウまで道がある。その論より証拠がここの入口ですって事かな? 一先ずそうにしておこう。

 更に下ると今度は東に下る分岐に 「道の駅」 の標識がある。この道は道の駅に車を置いて、宇津ノ谷峠からの周回コースに
なる利用価値のある道です。ただ5月ともなると一部雑草が生い茂るので冬場がお勧めです。

 この急な坂が上りでなくて良かったと思いながら鞍部に着くと、ここにも 「道の駅」 の標識が付いた。
以前この道の入口には 「悪路」 と書いてあったり、わざわざ略図を書いて “×” を書いてあったりした。
その道が整備されたのだろう。いつか歩いて見なければ。

      
                    丸子富士と満観峰                            倒木にキノコ

 いくら眺めが悪いと云っても一枚ぐらい景色も紹介しないと。
どうですかどれが丸子富士か分かりますか? 左側の三角形の山がそうですが富士山と云えると思います?

 倒木いや伐採され倒れたままの木にキノコが生えている。若しかしてと近づいて見ると椎茸だった。
今の椎茸栽培は榾木に椎茸菌を植えつける方法だが、昔は榾木に鉈目を入れて椎茸菌が飛んできそうな所に置いていたという。
そのため椎茸菌が飛んでくる場所を探す職業の人がいたと小説で読んだことがある。
その自然発生の椎茸かと思ったがどうやら違うようだ。倒れている木には何カ所も菌を打ち込んだような黒い傷跡がある。
手抜き栽培をしたため椎茸の発生率が良くないのだろう。これでは椎茸菌が勿体ないと椎茸菌の値段を調べてみた。
安い椎茸種駒は千個で2千5百円で1個当たり40銭と1円以下だった。それならやってみても面白いだろう。

  
           ロープ場               はるか下に宇津ノ谷峠                  宇津ノ谷峠

 一昨年方向感覚を失った場所も、昨年から目印のビニール紐がこれでもか、と云うくらいついたので難なく通過。
宇津ノ谷峠近くの岡部の三等三角点を過ぎると道はまたもや急になる。ロープ場もあり、はるか下に宇津ノ谷峠が見る場所は
次に登る蔦の細道への斜面も見えるので余り下りたくないのが本心だ。

ようやく宇津ノ谷峠に到着。フ~疲れた。
休む場所もないので峠を横断して次の斜面に取付くのだが、今までここでは一苦労していた。斜面が滑りやすので立っては
登れず屈んで登るのだが手掛かりになるものが無い。そのため下から勢いを付けたり、埋まっている小石を抓むように取っ手
代わりにしたりしていた。ただ危険性は無いのでヤッキリしながらも面白半分で余裕をもって対応していたが。

それが今年はその斜面に何やら小さな切り株が段々のようにある。今までここに木が生えていた記憶ないので、良く見ると
切株ではなく木を土に打ち込んであるようだ。お陰で今年は宇津ノ谷峠を難なく通過する事ができた。

      
                宇津ノ谷トンネル排煙施設                          中電の階段の杭

 斜面を登った所で農道に合流。本来なら農道を横断して階段を上り、茶畑を通ってこの先にある排煙施設に出るのだが
その茶畑の中を通るのが何となく嫌で、一度農道を歩いてからは専ら農道を歩くようになっていた。

 国1宇津ノ谷トンネルの排煙施設の南側を回り込んで山道に入る。ここからカンポ下までまた長い山道が続く。
以前排煙施設から鉄塔の下を通っていた道は、伐採工事のあとからは鉄塔下の平らな道を行くようになっている。
その鉄塔への階段が崩れ杭がむき出しになっていた。この中電の黒い樹脂製の土留めは、2ヶ所を同じ樹脂の杭で止めてあるが
案外丈夫だと感じていた。その杭がむき出しなっているのを初めて見て驚いた。ずいぶん長い杭で、あれだけ埋め込むには何か
道具でもなければ難しそうだ。逆に言えばあれだけ長い杭が地中に刺さっているのだから丈夫なのだろう。

 
                蔦の細道(峠)                              蔦の細道静岡口側

 蔦の細道では夫婦と思われる中年カップルが休んでいた。女性が 「綺麗で気持ちが良い」 と何度も言っていた。
何度もここを歩いている私は鈍感になって景色には何も感じず、やっと蔦の細道に着いた。と思うだけになってしまった。
それでも何年か前に静岡側の林を伐採して、富士山が見えるようになったときは嬉しかったが。

それにしてもここの標識はバス停か何かを案内しているようで風情が無さすぎだ。ここに来る人は平安時代の
 「うつつにも 夢にも人に あわぬなりけり」 の蔦の細道を思い描いているのだろうに・・・・

  
                                 444m峰への尾根道

 蔦の細道から444m峰までは二つのピークを越さなければならない。中でも最初のピークの上りはきつく、いつもハーハー
しながら登っている。それでも二つ目のピークを越せば444m峰は近い。
  
 
                満観峰山頂                               満観峰山

 満観峰に着いたのが2時50分で昨年より20分遅くなってしまった。これには理由があり今年は途中で丁度20分ばかり
植物採取をしていたからです。余裕のない工程とは分かっているが、ケチな私は土産にありそうなものを見つけると見過ごす
事ができないのですよね。これからの季節はわらび、フキ、タラの芽を見つけるとどうしても足が止まってしまいます。

 以前もあった周辺の山の写真に山名を書いたパノラマ写真がまた取り付けられていた。
カラー写真で写真と実際の山と見比べがつきやすく、非常に分かりやすかった。だが長持ちをせず1年か2年で駄目になって
しまった。今回の写真も同じような作りで余り長持ちはしそうもない。
四阿を撤去した跡に立派なテーブルを付けてくれたが、どちらかと云えば写真の方を援助して、長持ちする物にして欲しかった。
と、疲れた頭は文句ばかり思いつく。

 満観峰から丸子富士の方を見て、それから花沢山を見ればその工程の差は一目瞭然です。更に花沢山から海の近くに見える
簡保の宿までの低いが長い尾根をみると、まだまだ先は遠いと感じてしまう。
きっと花沢山までが朝鮮岩ルートと同じくらいの大変さだろう。そこから更に低いとはいえアップダウンのある尾根は続いている。

  
          長い階段                      穴地蔵                     日本坂峠

 444m峰は蔦の細道から登る方が大変だが、花沢山へは満観峰から行く方が楽に感じる。その代り上りは少ないが長い
階段の下りはある。
 日本武尊が隠れたとされる峠の穴地蔵にお参りすれば、その下が日本坂峠です。
サー今日最後の登りを頑張ろう。

      
               丸子富士                         花沢山手前から静岡市街

 丸子富士のケチばかり付けていては申し訳ない。先ほどの写真よりは富士山に見えますかね~。
このアングルが丸子富士が一番富士山らしく見える場所だと思います。
丸子富士の山裾の方に山桜が咲いているのが見えたが、尾根筋にある桜の大木は一輪も咲いていなかった。
先日TVのニュースで東京の桜の開花状況を伝えていて 「今日は数輪咲いているが、開花は5.6輪咲かなければならないので
今日は開花宣言は出ません。」 と気象庁の職員が言っていた。
アレー数輪って5.6輪の事じゃぁなかったのかと電子辞書で調べてみたら 「2、3個から5、6個」 とあった。
またネットでは 「2個から9個で1桁で複数以上」 なんてものもあった。
ようは曖昧な数なのですね。だから政治家が “数日中” とか “一両日中” なんて使いたがるのだろう。
ところで気象庁の職員は自分勘違いを全国放送されてしまったことになり、放送後は恥ずかしかっただろう。

 
            花沢山山頂下の広場                               花沢山山頂

 花沢山頂の電波反射板の撤去後は相変わらず整備されないままだった。この広場の周りの木を伐採すれば、北には富士山と
静岡市街、南には焼津や藤枝などの志太平野が一望できるのに惜しい事だ。
若し宝くじでも当たれば、この辺りの土地を買収して整備したいくらいだ。(もっとも宝くじは買ったことは無いけどね。)


 今、時間は4時20分。これから山道の終わるカンポ下までは2時間弱はかかるだろう。今日に日没時間は6時位なので
急がないと山道で日が暮れてしまいそうだ。と休憩もそこそこにして出発をした。

      
         花沢山の長い階段                              石部峠

 花沢山の長い階段は上りでも下りでも厄介だ。擬木の階段は雨で土が流れてしまい擬木が浮き出していて歩きずらい。
結局階段の横を歩くので増々階段が浮き上がってしまう。
この擬木の階段が中電の樹脂の階段だったらどうだろう。横幅が擬木に比べ1/3程度などで水の量が少なく流れる出る
土の量も少ないのではないか。道は狭くなるが、結局は擬木だって歩きながらすれ違う事は出来ないのだから同じことだ。
これから擬木の階段を整備する所は一考の価値はあると思う。予算だってグンと少なくなるだろう。

 石部峠に着くと一応ホッとする。ここまで来ればもう厳しい上り下りは無い。またここからは水車小屋経由で花沢の郷に下る
事もできるので縦走を続けるか再考する事ができる。でもまだ大丈夫、後は時間との戦いだ。

 
                道了尊                                     道標の峠

 厳しいアップダウンは無いがそれなりのアップダウンは続いている。今は疲れよりも時間が気になる。
急ごうと思っても足の速度は増してこない。他人が見れば、きっと “ゆっくり歩いている” とみえるだろう。

 砂張屋の道標が最後の逃げ口だが時間は5時20分。カンポ下まではあと1時間はかからないので6時少し過ぎたころ到着
できそうだ。それなら陽が沈んでもまだ明るさは残っているだろうと、少し暗くなってきた峠を出発した。

 
                高草山                                     伊豆半島

 高草山や満観峰が黒く見えるようになってきた。昨日山の準備をしている時、ヘッドランプをと一瞬思ったが、今まで何度も
この静焼アルプス縦走をしているが、明かりを欲しいと思った事は一度もない。例え衰えが出始めたとはいえ、まだまだ大丈夫だ。
と思ったのはチョッと早まったかな? 

 伊豆半島が見えていた。昼間より景色が見えるようになってきたが今更遅い。
木の間から太陽が山に沈むのが見えた。まだ6時にはならないのに何だ。と思ったが、一般的に日の出日の入りは水平線上に
太陽が出入りする時間を指すのだから、山が近くにあればそれだけ日の出は遅く、日の入りは早くなるのだ。
そんなことも気づかないとは情けない。

      
              松風閣                              夕闇迫る焼津市街

 フーやっとホテルが見えた。ここまで来ればカンポ下は近い。とホッとすすものの、何故かそこからの道がいつもより擬木の
階段が多く感じたのは何故だろう。疲れか、それとも焦りか。

      
         簡保の宿への道が見えた                           カンポ下

 カンポ下に着いたのが6時15分。暗くはなってきたもののまだ歩数計の数値が読めるくらいの暗さだった。
この程度なら例え明かりを持っていても点ける事はないだろう。ともかく明るいうちに山道を出れてよかった。

 カンポ下のハイキングコースの入口には相変わらず 「大崩ハイキングコースの通行禁止」 の貼り紙がしてあった。
以前は花沢山や道標の峠でも見た貼り紙だが、今日はどちらにも無かったので通行禁止が解除されたのかと思ったが違った。
きっとなくなってしまったのだろう。通行禁止の場所を夕方歩くとは70台の男がやる事ではないかな・・・・・・・・

 カンポ下でホッとしたが、まだここから焼津駅まで40分は歩かなければならない。最後の一頑張りだと車道を下り始めると
右の斜面から獣の激しい息づかいと争っているような物音がした。ドキッとしてストックを構え斜面を見るが何も見えない。
砂利が落ちる音も聞こえだし恐怖心が湧いてきた、。慌てて大きな声を出し、ここに人間がいる事をアピールした。
それが功を成したのか争う息遣いは止み元の静寂に戻った。

いつもは山中で鹿や猪を見たいと思っているが、今はそんな気分にはなれず山中でこの場面に出会わなかった事に感謝した。
それにしても猪は鳴き声を出さないのだろうか、疑問に思いネットで調べると色々の場面があり、猪対猪の戦いではお互いに
威嚇の鳴き声を挙げ戦っていた。また1匹の犬対複数の猪では両者とも無言。 犬と猪が1対1では犬は無言で負け気味の猪は
豚のような “ブーブー” といった声を出していた。
なのでここで聞いた争いの音が猪とも言い切れないが、猪では無いとも言い切れない。でも多分猪だろう。

 そんなおまけもついて焼津駅に着いたのは7時5分。安倍川駅を出て13時間の静焼アルプスでした。
今回は今までで一番時間のかかってしまったが、まだここを歩く事ができたのだから普通の低山歩きなら大丈夫かな。
一先ずそう思って72歳も頑張ろう。(4月1日が誕生日です。嘘ではありませんよ) 乾杯の氷結は旨かった。

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