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Channel: はぐれ遍路のひとりごと
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四国遍路8日目

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                         24番 最御崎寺

                  皿鉢料理(8日目) (2003/3/20)

 宿(7:00)→最御崎寺(24)→宿(15:00)        32.7k

 今日の宿は24番最御崎寺の宿坊。まるた屋旅館の人が
 「最御崎寺は人気があって前日だと中々予約が取れない」 と言っていたが、電話のタイミングが良かったのか一発で
予約ができた。

 宿坊は極楽寺と焼山寺に泊まったが、事前のイメージと違って普通の宿となんら変わらなかった。
料理も美味しいし布団も綺麗だ。料金は6000円で普通の宿より安い。
これならこれからはなるべく宿坊に泊まることにしようと思っていた。

  室戸岬と言えば 「室戸の沖には汐吹く魚が泳ぎはる」 の歌と、ラジオの 「台風は室戸岬沖海上」 の台風状況を思い出す。
今も鼻歌で 「よさこい節」 を唸りながら歩いていると、前方のテトラポットや堤防の上で何人もの人が海を見ている。
なんだろう? 難破船でも見えるのかと聞いてみると
 「ほら、あそこに鯨が見えるだろう。昨日からあそこに引っかかっていると新聞に載っていたので見にきた」 と教えてくれた。

 確かに白い物が見えるが鯨かどうかは分からない。テトラポットに乗ればもっと良く見えそうなので荷物を降ろして移動する。
今度ははっきり見えた。鯨は裏返しになって白い腹を見せて波に揺られている。
何か腐敗臭も漂ってくる。きっともう死んでいるのだろう。白い腹は死装束かと考えているうちにハッとした。
自分も白衣を着た死装束ではないか。それがこうしてテトラポットの上から鯨の死体を見物している。
私以外白衣の見物人など当然居ない、恥ずかしくなって慌てて国道に戻った。まったく修行の足りないお遍路だ。

  室戸岬の御蔵洞をお参りした。ここで弘法大師は悟りを得たと言う。修行の足りない私も般若心経を唱えるのだが、
仏様は私がただお経を読んでいるだけと思うのか、何の悟りも与えてくれない。

  最御崎寺への登り口から札所まで700mなのに25分もかかってしまった。アー!疲れた。
でもこれでやっと難関の一つ、薬師寺・最御崎寺間の長距離歩行を、なんとかクリヤすることができた。

  最御崎寺の夕食には驚いた。
甘いゼリーから刺身、野菜など一つのお皿に全部盛り付けてあり、その汁が混じらないように一つ一つの料理を
銀紙で隔離してある。これがかの有名な土佐の皿鉢(さわち)料理なのか。初めてだったので感激した。
聖地で感動せず、料理に感激する。困ったものだ。

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